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【フォンス・フローリス】合同発表会は来週月曜です 花井哲郎
フォンス・フローリスの発表会の日が迫ってきました。年に一度、フォンス・フローリス古楽院と関連指導団体が一堂に会して、日頃の練習の成果を披露します。

2013年2月11日(月・祝)午後2時
日本聖公会 神田キリスト教会 聖堂
(東京都千代田区外神田3-5-12)
入場無料

毎年思うのですが、プログラムを見ると、これは壮観です。グレゴリオ聖歌に始まって、中世の様々な音楽、今年はラウダ、モンペリエ写本、マショー、トゥルネーのミサなど、そしてルネサンスの名曲、15世紀はレジスとオケゲム、1500年頃になってジョスカン・デ・プレとハインリッヒ・イザーク、そして16世紀はビクトリア、さらに1600年前後のスウェーリンクやシャイン、独唱独奏はバロックの大作曲家、クープラン、パーセル、そしてバッハと、まさに800年に及ぶ音楽史総覧といった感があります。



10世紀の古ネウマ、黒色計量譜、白色計量譜といったオリジナルの楽譜を用いて、音楽にふさわしい演奏めざして、鍛練を重ねて練習をしてきています。まあ、各団体毎年少しずつメンバーも変わり、いろいろな背景を持つ愛好家達が寄り集まっていますので、結果としてはなかなか望ましい完成度に到らない場合も多いです。しかし、こういう音楽というのは、実際に歌ってみることでわかる素晴らしさもあります。そもそも多くの場合、万人のために作曲されているわけではありません。音楽や歌詞の裏の裏まで知り尽くした同僚同士や、注文主の宮廷礼拝堂の中で理解され、楽しまれることが前提ということも大分あるのです。現代からはかなりかけ離れた時代の音楽であるということもあり、一度ぱっと聴いただけではその良さを感じ取るのは難しいかもしれません。だから、実践することで世界が広がるのです。

発表会はそのような探求の途中経過報告のようなものです。もちろん、聴くだけでも十分楽しめる部分はありますし、何よりも、このような多様なプログラムは他にはまず例がないでしょう。どうかこの素敵な世界を体験しにいらしてください。そしてひょっとしたら、そう、あなたもこの一員に加わってみてはどうでしょう!

古楽院のお申し込みはこちらから(関西、東京)

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■2月11日 演奏プログラム■

主の御昇天のミサより

トマス・ルイス・デ・ビクトリア 「キリストは天高く昇られ」
Tomás Luis de Victoria (1548-1611) Ascendens Christus
 
グレゴリオ聖歌 入祭唱「ガリラヤの人々よ」
Introitus: Viri Galilei

ヨハンネス・レジス ミサ《ロム・アルメ/ドゥム・サクルム・ミステリウム( 武装した人・聖なる神秘)》より キリエ
Johannes Regis (ca.1425-ca.1496), Kyrie -Missa L'homme armé/Dum sacrum mysterium

ビクトリア ミサ《キリストは天に昇られた》より グロリア
Tomás Luis de Victoria Gloria -Missa Ascendens Christus

グレゴリオ聖歌 アレルヤ唱「神は昇られた」「主はシナイで」
Alleluia: Ascendit Deus, Alleluia: Dominus in Sina

主の御降誕のミサより

ハインリヒ・イザーク 続唱「世の前に生まれた」(『コラーリス・コンスタンティヌス』より)
Heinrich Isaac (ca. 1450-1517) Sequentia : Natus ante saecula -Choralis Constantinus

聖母のミサより

叙唱 Praefatio
ジョスカン・デ・プレ 聖母のミサより サンクトゥス
Josquin des Prez (ca.1450/55-1521) Sanctus -Missa de beata virgine

ヨハンネス・オケゲム ミサ《カプト》より アニュス・デイ
Johannes Ockeghem (ca.1410-1497) Agnus Dei -Missa Caput
グレゴリオ聖歌 聖体拝領唱「御胎は幸い」
Communio: Beata viscera

グレゴリオ聖歌 終祭唱 Ite missa est

フランソワ・クープラン
プレリュード第6番
第8オルドルより ラファエル、パッサカーユ
François Couperin (1668-1733)
Sixième Prélude (L'art de toucher le clavecin, 1716)
Huitième Ordre (Deuxième livre de pièces de clavecin, 1717)
 La Raphaéle, Passacaille

ヘンリー・パーセル 「わが苦悩のすべて」「ばらの花よりも甘く」
Henry Purcell (1659-1695) “Not all my torments” , “Sweeter than roses”

J.S. バッハ アリア「至高の神よ、わたしが持っているものは」
(カンタータ第39番『飢えた人にあなたのパンを裂き与えよ』より)
アントワーヌ・ボエセ 「美しいひとの厳しさは」
J.S.Bach (1695-1750) Aria: “Hochster, was ich habe” -Kantate 39 “Brich dem Hungrigen dein Brot” BWV 39
Antoine Boesset (1586-1643) “Beaute dont les rigueurs”

グレゴリオ聖歌 レスポンソリウム「ああ大いなる神秘」「聖なる、けがれのない」「言葉は肉体となった」
Responsorium: O magnum mysterium, Responsorium: Sancta et immaculata, Responsorium: Verbum caro factum

ほめ讃えるために来てください  ( コルトナ・ラウダ1番)
キリストのむごい死に  ( コルトナ・ラウダ23番)
比類なき甘美な愛  ( コルトナ・ラウダ44番)
Venite a laudare, De la crudel, Amor dolçe sença pare

『モンペリエ写本』(13世紀)より
グレゴリオ聖歌「主をほめたたえましょう」~「決して私を忘れないで/主に」
「私が歌うのは、愛の神が私にそうさせているから/彼を愛さなければいけません/待ち望む」
ペロティヌス 「アレルヤ」
Montpellier Codex
Gregorian chant, “Benedicamus Domino”
“Ne m'oubliez mie / DOMINO”
“Se je chante, ce fait Amour / Bien doi amer mon ami / ET SPERA[BIT]”
Perotinus, Organum: “Alleluya”

ギヨーム・ド・マショー モテット23番「さいわいなおとめ/ けがれない母/ あなたに」
作者不詳 トゥルネーのミサより グロリア
Guillaume de Machaut (ca.1300-1377) Felix virgo/Inviolata genitrix/Ad te (M23)
Anonymous Gloria -La messe de Tournay

クロード・ル・ジュヌ、ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク
詩編第102編、第138編
Claude Le Jeune (1528/1530-1600)/Jan Pieterszoon Sweelinck (1562-1621)
"Pseaume 102", "Pseaume 138"

ヨハン・ヘルマン・シャイン 『イスラエルの泉』より
「ああ主よ、わたしはあなたの僕」「若きいときからの妻に喜びを」
Johann Hermann Schein (1556-1630)
O Herr, ich bin dein Knecht, Freue dich des Weibes deiner Jugend

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by fons_floris | 2013-02-08 12:00 | フォンス・フローリス
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